2024年2月15日わかりやすく話す3つのポイントとは?
★わかりやすく話す
日本話し方センターの話し方教室には、2日間で集中的に話すトレーニングを行う、2日間集中コースがあります。
このコースでは、まず受講生自身でスピーチ原稿を作成してもらい、講師がそれにアドバイスしてわかりやすく伝わる話にしていきます。
その後、声に出して何度も話す練習をすることで、話の内容、話し方を鍛え、わかりやすく話すコツを身につけてもらっています。
今回は、そのセミナーで、ある受講生が作成したスピーチをもとに、わかりやすく話すポイントを解説します。
★受講生のスピーチ
セミナーの受講生Kさんは、次のようなスピーチを作成しました。
- 部品の設計をして製作会社に渡した
- するとその設計に誤りがあることがわかった
- 職場の先輩に助けてもらって設計をし直した
- その結果、何とか期限に間に合い大事にならずにすんだ
話の概要はわかりますが、事実を並べているだけで、何が言いたいのかわからない話でした。
しかし、これはKさんに限ったことではありません。
話し方教室の受講生が自分だけで作成したスピーチ原稿は、最初はこのようなものがとても多いです。
では、このKさんの話はどうすればより分かりやすいものになるのでしょうか。
そのポイントは主に3つあります。
★聞き手の理解に必要なことをきちんと話す
1つ目は、聞き手が理解するために必要なことを具体的に話すことです。
Kさんの話には、次のことを付け足す必要があります。
- 何の部品なのか
- 設計にどのような誤りがあったのか
- その誤りはどうして発覚したのか
- その誤りはどれほど重大なものだったのか
- その誤りの原因は何か
話は簡潔に話さねばなりませんが、必要なことはきちんと伝えねばなりません。
上に挙げたことが抜けていると、聞いている人は「何の部品だろう?」「どういう誤りだったんだろう?」ということが気になってしまい、話が聞けなくなってしまいます。
また、わかりやすい話とは、聞いている人が頭の中でイメージが湧く話です。
話す人は、そのために必要な要素を具体的に話さねばなりません。
- プリンターのインクを噴出する部品
- ノズルが本体にうまく結合しないという誤り
- 製作会社の担当者が確認して誤りが発覚した
など、短い言葉で必要な説明を加えることで、話は格段にわかりやすくなります。
★言いたいことを明確にする
2つ目は、この話で何が言いたいのか明確に意識することです。
先にも述べたように、Kさんの話は事実を時系列で説明しているだけで、何が言いたいのかが不明です。
Kさんに確認したところ、自分でもそれがはっきりしない、ということでした。
何が言いたいのかを見つけるヒントは、『なぜ』と自問することで見つかります。
Kさんは「なぜそういう誤りをしたのか?」と自問すると、「思い込みがあり確認しなかった」という原因に気付けます。
そして、言いたいことは「思い込みには注意しよう」だとハッキリと意識することができます。
また、原因が「自分の知識不足でそれが誤りだと気付けなかった」のなら、「他の専門家のチェックを受けよう」ということが言いたいことになるでしょう。
このように『なぜ』と自問することで、言いたいことがハッキリしてきます。
★自分の気持ちを話す
そして3つ目は、自分の気持ちをきちんと話すことです。
自分の気持ちや考えを話すことで聞き手に共感してもらえ、話が伝わったということになります。
この気持ちには2種類あります。
誤りがあることがわかった時点の気持ちと、今この出来事を振り返って思うこと、の2つです。
これを話すことで聞き手が共感でき、また話し手の人柄も伝わってくるので聞き応えある伝わりやすい話になります。
スピーチでもビジネストークでも案外抜けているのが自分の気持ちを話す、ということですので、ぜひご留意ください。
★わかりやすい話をする力を磨きませんか?
今回はわかりやすい話をするポイントを3つお伝えしました。
これをご自身で実践されれば、必ずや今よりもわかりやすい話ができるようになると思います。
しかし、なかなか自分一人ではできないな、とお考えの方は、ぜひ日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースを受講なさってください。
これらのコースでは、相手が納得できる話し方ができるよう、話の内容、組み立て方、話の仕方、話す態度など、幅広い観点で受講生お一人おひとりに応じたアドバイス、ご指導を行っています。
ぜひご受講をご検討ください!